国道191号線・深入峠



 <現在の道>
 深入山は、山県郡安芸太田町の北部に位置する標高1,153mの山。
 国道191号線の旧道は深入山の北から東側の深入峠を通っていたが、現国道は深入山を挟んでの反対側、西から南側を通るルートに付け替えられている。



 安芸太田町と北広島町の町境になっている道戦峠を過ぎると、小板のバス停と道路左手に雑貨屋さんがある。その雑貨屋さんのところを左へと分かれている道が、深入峠へと至る旧道。



 道路沿いに点在する民家と田畑の中を進んでいく。大規模林道との交差点は、林道建設時にわざと作り変えられたのか、もとはまっすぐ直進していたはずの旧道が食い違った形の交差点になっている。



 交差点を過ぎると、深入峠へと向けてまっすぐと道が続いているが、やがて両側から山が迫ってきて、林の中へと入っていく。



 そばを流れる小さな渓流と並行する形で進んでいき、ちょっと広い盆地のようなところへ出ると、数軒の民家がある。



 右手のなだらかな丘は、木が切られて草が生えているだけの広場のようになっており、地形図では畑の記号が記されているものの、耕作しているようには感じられない。(あるいは、放牧地だろうか?)



 先ほどの草地の横を過ぎると電柱もなくなり、人の気配がない熊笹の生えた雑木林の中を、ヘアピン状のカーブを織り交ぜながら、深入峠の頂上へと向けて登っていく。



 峠の頂上へと向けて登っていくにつれて、道路右側の山が迫ってくる。右へと未舗装の道が分かれた先で、若干切り下げられ切り通しとなっている、深入峠の頂上に到着する。



 深入峠の南側へ向けての下りは、山の等高線にあわせて緩やかな下り勾配で道路が作られているおり、小刻みなカーブが続いている。



 毎年4月上旬に深入山では山焼きが行われる。その山焼きにより、灰で黒一色となった山肌には草が生え始めており、ゴールデンウィーク前後には、ワラビなどの山菜採りも楽しめる。



 急な法面の下には、虫木峠でも見られたのと同様な、河原の玉石を積んだ石積みが続いている。




 深入山の西側に続く峠から下りの区間は緩やかな勾配で下ってきていたが、次第にその勾配を増していく。そして、2箇所の大カーブで向きを変えながら標高を下げて、進んでいく。



 進行方向前方の林の先にいこいの村ひろしまの建物が見えてくる。いったん建物は山にさえぎられて見えなくなるが、下の国道を走る車の音も聞こえてくるなど、旧道の区間が終わりに近づきつつあることが感じられる。



 いこいの村の建物が建つ敷地の下を通ると、林の先に植樹されたもみじの木が見えてくる。いこいの村ひろしまへの進入路と合流した先で、現国道へ合流し、旧道の区間はここで終わり。


 旧道と現道の合流する交差点の脇には、「西中国山地国定公園 深入山」と刻まれた大きな石碑が置かれている。交差点を左折した先、松原川の谷に沿って国道191号線は続いている。


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