主要地方道加茂油木線・七曲峠



 <現在の道>
 
平成10年6月に開通した、新七曲トンネルは延長640m。新七曲トンネルの開通により、福山市加茂町から山野町の間の行程が500mほど短縮がされるとともに、七曲峠の狭隘区間が解消した。



 国道182号線から分かれた県道加茂油木線を北進して行き、加茂町の北外れにさしかかると、左手から県道井関加茂線が合流してくる交差点がある。その先に「↑ 油木 33km」の案内標識が建っており、そこを右へと入る道が旧道である。民家の横を通り過ぎたあとは、バイパスを左手上に見ながら進んでいく。



 加茂ライスセンターという農協の建物の横を通り過ぎ、上り勾配の坂道でバイパスとの標高差を縮め、いったんバイパスと交差する。



 旧道は今までとは反対側のバイパス西側の山手へと移り、バイパスよりも急な勾配で標高をあげていく。 登坂車線も整備された快適なバイパスとは対照的に、左手に切法面の続く道をうねうねと進んでいく。
 七曲隧道近くの空き地に車を止めると、バイパスを走る車を眼下に眺めることが出来る。



 砂防河川が流れる谷沿いへと左へとカーブしたあと、コンクリートの砂防堰堤の下を通り、再びバイパスのすぐ上へと出る。法面にはアンカー付きの法枠工が施されている。



 バイパス西側法面の中ほどを進んだあと、左へと少しカーブして雑木や竹が生い茂る林の中へ入る。右手下には新七曲トンネルへと向かうバイパスが見える。その先、左へ右へとカーブを繰り返しながら進んでいく。




 道路右手に空き地があり、そこを左へとカーブを切ると、七曲隧道が姿を現す。トンネル手前の苔生した擁壁が時代を感じさせる。トンネルに掲げられた銘板は、開通当時の広島県知事・大原博夫氏が書いたもの。



 このトンネルを通る車はほとんどないと思われるが、トンネル内部の照明は灯されていた。トンネルを出た先すぐのところで、左へ分かれる道がある。この道は県道七曲井原線だが、あたりには県道であることを示すものは何もない。県道七曲井原線は、ここからさらに坂道を登って七曲隧道の真上を通り、福山市神辺町を経て、岡山県井原市へと至る。



 道幅が広くなったかと思うと、不自然に右へとカーブするが、これは新七曲トンネルから出てきたバイパスにより、旧道が付け替えられたためで、わずかな間ながらもバイパスの東側を並行する。



 右へとカーブして、一度バイパスから離れたあと、大きなヘアピンカーブで向きを変えて、再びバイパスへと近づいていく。



 案内標識の先にあるT字状の交差点で、新七曲トンネルから出てきたバイパスと合流したところで、旧道の区間は終わり。


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