主要地方道本郷久井線・仏通寺〜久井


 県道本郷久井線は、三原市本郷町で国道2号線から分かれ、仏通寺のそばを通って、三原市久井町の山陽道三原久井インターチェンジ近くの国道486号線へと至る県道。
 拡幅・バイパスの整備といった道路改良がなされているが、バイパスのルートから外れている仏通寺から久井までの未改良区間はほとんど通る車も無い。



 仏通寺川沿いからもう一つ西よりの、県道大草三原線から山陽道に沿ったルートでバイパスの整備が進められ、ほぼ完了している。



 国道2号線から分かれて、北へと進むと、旧本郷町と旧三原市の市町境を越える。三原市街へと県道大草三原線が分かれる交差点を直進して坂道を登っていくと、「↑久井 →仏通寺」と書かれた標識のある交差点がある。



 直進方向の道は、仏通寺川を渡る高坂大橋を通って、バイパスへと続く。右折した先は下りの坂道となっており、仏通寺川の川沿いへと下りていく。



 県道沿いの集落の北端近くで改良済みの区間は終わり、未改良の区間へと入っていく。道路の端には、「十二丁」と刻まれた石柱が残っている。(丁は昔の距離の単位で、一丁は一里の1/36、約109m。)以前はこの石柱が一丁毎に道路沿いにあったものと思われる。



 仏通寺川に沿って進んでいくと、途中、高坂自然休養村へと続く市道が左の山手へと分かれていく。擬宝珠の付いた赤い高欄の白馬渡橋を渡り、県道は仏通寺川の左岸へと移る。なお、橋を渡った先の建物の横には、「十九丁」の石柱があった。



 三原市営バスの仏通寺バス停を兼ねている、仏通寺の第二駐車場の手前あたりからは、杉並木の中を県道が仏通寺への参道も兼ねている形で続いており、沿道には仏通寺の参拝客向けの茶店もある。仏通寺の開山時に植えたと伝えられており、広島県の天然記念物にも指定されているイヌマキの巨木の横に、仏通寺の境内へと渡る橋が架けられている。



 境内へと渡る橋は巨蟒(きょもう)橋という名前の屋根付きの木橋で、その橋を渡った対岸には、法堂や大方丈などが建っている。仏通寺は1397年に小早川春平が創建した臨済宗の寺で、仏通寺川の両岸に多くの建物が建ち並んでいる。



 仏通寺から先へと川沿いを進んでいくと、塔見橋という橋を渡った先に、「↑至久井」と書かれたの案内看板がが建っている。県道はその看板に従って直進するのではなく、ここを鋭角に交差して山手に上がるほうの道である。


 異常気象時の通行規制区間や、幅員制限2.0m、さらに重量制限2.0tであることを示す標識があり、この先の道がこれまでよりもさらに険しいことを感じさせる。



 重量制限の標識に書かれていた馬の背林道という林道は、先ほどの交差点から300mほどのところで、右へと分かれていく。路面の凹凸に補修を施し、つぎはぎだらけとなった道路の中央辺りから雑草がところどころ生えている状況から、通行量の少なさが感じられる。



 最初のヘアピンカーブの真ん中辺りから、そのまま直進方向奥へと続く未舗装の道が分かれている。その先ほどなく、2つ目のヘアピンカーブを曲がる。



 さらに3つ目のヘアピンカーブで、進行方向を逆向きに変えて進んでいくと、道路右手にブロック積と石積が続いて見えてくる。


 その先は、この未改良区間で最後にして最大のヘアピンカーブとなっている。



 道路左手の切り立った斜面に落石防止のネットが張られた区間では、まさに断崖絶壁の途中に道が付けられている感じ。



 災害により崩れた路肩をブロックなどで復旧した箇所には、ガードレールが設置されているところもあるが、ほとんどの区間はガードレールが設置されてない。道路左手の山から出てくる小さな沢には、コンクリート製の短い橋が架けられており、それを渡っていく。



 待避所もほとんどなく、離合困難な道が延々と続いている。ここで対向車に会ったら、この狭い道を相当の距離、バックする覚悟が必要である。



 登り坂の区間で高欄のある唯一の橋らしい橋、親柱には「進分橋」と行書体で刻まれているように読める。進行方向前方に見えていた山が次第に近づいてきて、かなり登りつめてきたことが分かる。



 道路左手のやや大きな沢の下に造られた待ち受け擁壁の横を通り過ぎる。道路右側の谷が浅くなり、水の音が近くになると、路肩の雑草が生い茂ってくるようになり、道路の狭さを際立たせる。



 仏通寺側へと続く小さな渓流沿いになると、道路の勾配が幾分緩やかになる。木漏れ日の射す雑木林の中を抜けると、左手に民家のブロック積があり、その先には水田が広がっている。



 左から民家の進入路、短い床版橋を渡ると、右から養鶏場からの道が合流してくる。前方に見える白いガードレールの続く道は国道486号線で、国道がくぐっている道は、山陽道である。


 異常気象時の通行規制表示板の横を過ぎ、緩やかな坂道を登ると、国道486号線へ合流し、ここで未改良区間とともに、県道本郷久井線は終わりとなる。この先、国道486号線は、三原久井インターへと続いている。


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