主要地方道大竹湯来線・佐伯〜湯来


 県道大竹湯来線は、大竹市玖波で国道2号線から分かれ、廿日市市を経て、広島市佐伯区湯来町で国道488号線に合流する県道である。廿日市市と広島市の市境を挟んだ大峰山の脇を抜ける区間は、主要地方道といいながらほとんど通る車もない寂しい道となっている。



 県道白砂玖島線との交差点を案内標識に湯来の表示がある左折の方向へと進む。標識には大型車通行困難の文字があるが、廿日市市側最後の集落である平谷までは、歩道も整備された改良済みの道が続いている。


 集落の中を進んでいくと、集落の最上部付近にある平谷バス停のところに、冬期閉鎖区間を示す標識が建っている。



 異常気象時の通行規制区間を示す標識の前を通り過ぎ、左へと大きなカーブを切ったあと、幅員減少の予告標識が建っており、その先で未改良区間へと入る。




 昼間でも薄暗い杉林の中へ入っていくと、日当たりの悪さと通る車も少なさのため、路面にコケが生えているところも見られる状態となっている。未改良区間に入った先でほどなく改良済みの道に出るが、再び幅員減少の標識があり、1車線幅の道となる。



 薄暗い林の中を走っていくと、前方が明るくなり道路右側の路肩にガードレールが現れると、再び改良済みの道路となる。人家はないが、改良済みの道路沿い左手には畑がある。



 山の斜面を緩い勾配で登るために右へ左へとカーブが連続しており、暴走族対策のためか、センターラインには車線分離用のブロックとラバーポールが設置されている。しかし、この改良済みの区間も長くは続かず、1車線幅の道が林の中へ吸い込まれていくように続いている。



 1車線幅の道ではあるが、つい最近草刈をしたのか、雑草がさほど伸びていないので道の狭さがあまり際立たない印象を受ける。この先峠の頂上までは、中国電力の送電鉄塔の巡視路が林の中から県道へ出てくる以外は、交差してくる道もない。




 ところどころで舗装に補修が施されており、新しい舗装にはまだコケも生えておらず、路面の凸凹もない。



 道路沿いに杉が植えられていないところは日当たりがよく、薄暗くじめじめとした感じのする杉林の中とは対照的である。



 道路左側の路肩にコンクリート製のU型側溝が現れ、大峰山登山口駐車場と書かれた看板のかかった平場がある。その先の坂道を登りつめたところが、廿日市市と広島市の市境となっている。ここから左右に未舗装の林道が分かれているが、このうち左側の林道は、標高1000mを超えた山で広島市内から一番近い山である大峰山(1040m)への登山道となっている。




 峠の北側・湯来町へ向けての下りは、それまでの登りの区間よりも急な勾配で下っていく。道幅は1.5車線ほどあり、普通車同士ならば十分に離合できる道幅となっている。



 太田川林業地基幹線という長い名前の林道が交差する十字の交差点がある。ちなみにこの林道を左へ行くと、県道本多田佐伯線の廿日市・広島市境と近くへ出る。「標識いろいろ」のページでで紹介している勾配19%の警戒標識がある急な下り坂を下っていく。




 モルタル吹付の施された法面の下を通り過ぎると右へと大きくカーブする。その先の小多田川に架かる橋の手前で道幅が絞られ、1車線幅の道と変わる。



 山の斜面の木を切り倒したあとに植林がされなかったためか、左右に背丈の低い雑木と雑草が生い茂る中に道は続いている。



 前方に杉林が迫ってきたところで、左へと大きくカーブして山の斜面を下る方向を東向きから北へと変えて道は続いている。



 昭和43年竣工の銘板がついた柳原橋という名前の橋で再び小多田川を渡った先で、杉林の中へと入っていく。



 道路の左右両側にびっしりと植えられた杉の木の幹は細いものも結構見受けられるので、植林の時期が他の杉林に比べていくらか後なのだろうか。



 杉林を抜け、道路の右側下に民家の屋根が見えてくると、湯来町小多田の集落の最上部に着いたことになる。イノシシ除けの柵に囲まれた水田も放棄されており、人の気配はあまり感じられない。



 カーブを曲がって下り、右へと分かれる市道との交差点近くには小多田のバス停がある。かつて広島電鉄の路線バスの車庫だった建物も残っているが、現在は使用されていないようすで、中はがらんとしている。建物の先は川沿いの林となっている。



 林の中を進んでいくと、大きく左へカーブした先で開けている。山すそに民家が建ち並ぶ中にお寺もあり、まとまった集落に入ったという印象を受ける。川沿いの低地は大部分が田んぼとなっているが、実際に耕作しているのは半分にも満たない状態。




 集落から抜ける手前、川沿いの休耕田には黒毛の牛が放牧されている様子が道路からも見える。両側から山が迫ってきて、道路は杉林の中へと入っていく。



 川沿いの杉林の中の道では、先ほどの集落に出入りする車を見かけるようになり、それまでほとんど車が走っていなかった県道の様子からは変わって、人里へ下りてきたという感じを受ける。




 小多田川沿いの杉林を抜けると建物が見えてきて、志井という集落に入る。小多田川と水内川に架かる2つの橋を渡って国道488号線と合流するが、国道488号線もまた狭い道で、水内川沿いを進んだ次の集落である来栖根という集落まで1車線幅の未改良道が続いている。


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